自分が本当にしたかった看護ができる喜び。
まわりのスタッフに支えられて実現しています。

太田垣 志穂

おおたがき しほ

やすらぎの園 津久野

看護師

2014年4月入職

PROFILE

高校卒業後、看護助手を経験した後、接客業の仕事に従事。その後、急性期病院で看護師をしていた母の紹介で介護の仕事を始めたが、もっと患者さんの手助けがしたいという思いから再び、看護師の道を志す。病院で5年間勤務した後、施設での道を選び『やすらぎの園 津久野』に入職、現在に至る。
太田垣 志穂

「患者さんのために、助けになりたい」
一度は進むのを辞めた看護師の道へ、再び。

高校を卒業してからは医院で看護助手をしていたのですが、実は一度、道をそれたことがあります。自分の母親も外科の急性期病院で看護師をしているのですが、母と同じ道を進むことに抵抗を感じて、接客業の仕事をしていたんです。

20歳を越えて将来を考えたとき、母に相談すると、母が勤めている病院で「介護の仕事をしてみたら」と勧められたのがきっかけで、介護の仕事を始めました。

介護士として勤め始めたのですが、患者さんの容態が悪くなったときに、自分が本当に何もできなくて、看護師さんを呼ぶことしかできなかったんです。それがきっかけで看護師になりたいと思い、もう一度チャレンジすることにしました。

それまでは母が看護師ということで同じ道に進むのをためらっていたのですが、実際に同じ病院で働くことになって、母が患者さんと接している場面を見たり、先輩や同僚に慕われている姿を見て、母を尊敬する自分がいました。そこからは自分の進路をきちんと考えないといけないと思い、もう一度、看護師になる猛勉強をして、全寮制の看護学校で勉強した後、急性期病院で勤務しました。

「これが本当に自分がしたかったこと」
急性期の看護師から『やすらぎの園』へ。

看護師になってからはずっと、患者さんが救急で運ばれてくる急性期病院にいたのですが、来られても対応して点滴をして介助するだけで、全く患者さんと一緒にいる時間がなくて、関わりが少なかったんです。看護師の勉強のためにと5年間働いたのですが、やはり施設で一度働いてみたいと思い、転職を考えたときに出会ったのが『やすらぎの園 津久野』のブログです。

「施設でこんなことをしています」「外出でどこに行きました」というのを職員も一緒に楽しんでいるのを見たとき「えっ、こんなに色んな所に行けるの?」と驚いたんです。入居者さんの写真の顔が作ろうと思って作った笑顔ではなくて、外に出る機会は少ないと思うので、多分すごく楽しかったんだろうなぁというのが伝わってきました。

病院では食べられないものを制限されることも多いのですが、施設ではある程度、ご本人が行きたい所に行けたり、希望に添えるのがすごいなというのが第一印象で「自分はこういう仕事がしたい」と思ったんです。実際に働いてみて、自分には合っているというか、これが自分が本当にしたかったことだと感じています。

利用者さんが臨まれることを
少しでも可能性があれば実現してあげたい。

施設で看護の仕事をしようと思った大きな理由は精神面、メンタル面で、入居者さんの表情を見て「淋しくないかなぁ」とか「何を楽しみにしてくれているのかなぁ」ということを考えて、寄り添うのが一番大切かなと思っているのですが、最初の頃は病院と施設の看護の違いに戸惑うこともありました。
どこまで医療を望んでおられるか、病院だと疾患があれば規制しないといけないことが、施設だとできるだけ入居者さんが望まれることをしてあげたいのですが、どこまでの範囲で責任を負えばいいのかがわからなくて、戸惑った時期もあります。

ただ、少しでも可能性があれば実現できるのが病院と施設の大きな違いだと思っていて、実際に行くのは大変なこともありますが、入居者さんがこういう所に行きたいと仰っていたなぁ…と思うと、どうしても行きたくなるんです(笑)。単に行きたいから、すぐに申請が通って行きましょうではなく、上の人の了承が出るまでには「ここは大丈夫?」とかなり厳しくチェックが入り、万一、何か起きる可能性が少しでも考えられる場合は、上の人に提出しても返ってきます。ケガを負わせてしまってはその行事自体がなくなり、ご家族にもどう説明していいかわからないので、ケアマネージャーや主任、ワーカーさんみんなで相談しながら計画を進めています。

入居者さんの心に残ることを大切に。
想い出を一つひとつ積み重ねたい。

入居者のみなさんは食べることを一番楽しみにされていて、お寿司やおもち、ラーメンが食べたい、天ぷらやギョウザを食べに行きたいと仰る方も多いのですが、お医者様の理解があって「毎回それを食べるのではなく、施設なので月に1度、それを楽しみに過ごしてもらうのであれば、そこまで制限しなくてもいいよ」と仰ってくださいます。お医者様に理解していただけることが何よりの後押しになっています。

ご家族の方にご報告できるのもすごく楽しみで、毎回、写真を撮るのですが、そのときにすごくいい表情をされていて「連れて行ってくださって、ありがとうございました」と言われるのもうれしいですね。

お散歩に行って落ち葉を拾ってきたり、小さなことですが、入居者さんの心に残ることを大切にしています。忘れてしまわれる場合もあるので、後で「こんなこと、したね」と話せるように、一緒に写真を撮って、想い出に残るようにしています。

一緒に考えてくれる、アドバイスをくれる、
認めてくれる人がいることが、何より安心。

上司や施設長とは考え方や方針も一致していて、私の中では大きな存在です。相談しやすい反面、アドバイスを受けることも多くて「こういうところに気づいている?」「ここはちゃんと、できるの?」と言ってもらえる関係は、相談もしやすいので何事も早く解決して、すごく仕事がしやすいんです。同じ考えの人がいてくれることが何より支えになっています。

自分が「これをやりたい」と言っても、一人では無理なことも多いのですが、一緒に考えてくれる人がまわりにいて、みんな拒否からは入らず「どう? 大丈夫?」と聞いてくれたり、「1回やってみたら」と言ってくれて、認めてくれる人がまわりにいてアドバイスもくれるので、それが何より安心で、やってきて良かったなと感じられます。

入居者さんは、私のなかでは家族。
同じ想いの人と一緒に仕事がしたい。

時々、自分は本当に看護師なのかなと思うことがあります(笑)。看護師の仕事は熱や血圧を測って、急変があったときに行くという施設もあるかもしれませんが、私はワーカー出身の看護師なので、できるだけ自分にできることは手伝って、自分の目で入居者さんの様子を見て、管理していきたいという思いがあります。

医療だけでなく、もっと身近な部分で関わり、最後の暮らしを一緒に手伝うなかで、入居者さんは私のなかで多分、家族なんだと思います。近い立場の家族さんに相談することもたくさんあります。最後を病院で過ごすか、施設で色々なことができて、少しでも「居て良かった、楽しかった」と思ってもらえるように、それを一番に考えてくれる人と一緒に仕事がしたいですね。きっと、自分が本当にしてあげたいなと思うことを一緒にできる職場だと思います。

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